住宅ローンの事前審査

注文住宅を新築する場合には、その費用を調達することが第一に重要となってきますが、年収にくらべて数倍というレベルの費用ですので、自己資金からすべてをまかなうことは、実質的には困難が大きいといえます。そこで、銀行や労働金庫、信用組合といった金融機関を経由して、住宅ローンの申し込みをするというのが一般的となっています。
この注文住宅の新築時の住宅ローンに関してですが、申し込みをすればすぐにでも借り入れができるというわけではなく、たいていの場合、事前審査と本審査というふたつの段階を通って、金融機関側から認められたあかつきに、はじめて正式に契約ができるというものになっています。同じ金融機関が取り扱っている住宅ローンでも、フラット35のような、なかば公的な住宅ローンについては、この事前審査の段階がないということもあります。
事前審査では、そのための申し込み書と、あわせていくつかの添付書類を提出する必要が生じます。申し込み書のなかには、氏名、住所などはもちろんですが、そのほかに、勤務先の名称、職種、勤務をはじめてからの年数、年間の収入金額、世帯構成などといった情報を書き込むことになります。添付書類としては、会社で発行してもらった源泉徴収票、注文住宅の内容がわかる図面や契約書類、住宅ローンと頭金の割合なとがわかる資金計画を記載した書類などといったものが求められます。
このような書類によってなにを審査するのかといえば、借り入れをする本人が十分に信用に足る人であって、将来的にも住宅ローンの返済が確実に行えるかということに尽きるといえます。住宅ローンは最低でも25年程度の長期にわたるものですので、返済の確実性がなければ、金融機関側としてもゴーサインを出すことがむずかしいというのは自明のことといえます。
したがって、こうした書類に書かれていることのなかから、たとえば年収にくらべて住宅ローンで借り入れる金額が異常に多かったり、頭金として充当する自己資金に対して住宅ローンでの借り入れの金額が異常に多かったりするということであると、返済の確実性に疑問符がつきますので、事前審査のほうで落ちてしまうという結果にもなりかねないのです。
その反対に、こうした項目が適正な水準を確保しているのであれば、年収そのものが極端に少なかったり、勤続年数があまりにも少ないという事情がなければ、おおむね事前審査にはパスすることができるといえるでしょう。